どうなる?!不動産税制その3(平成16年度税制改正大綱より)
 

平成16年度も多くの税制が改正される予定です。さて今年の不動産税制はどのように変わるのでしょうか、また、今回の改正により不動産取引は活性化されるのでしょうか。今回は特定の居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除制度の改正について解説します。

◆1.居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除制度とは
個人が一定の居住用財産を譲渡し、新たに借入金により一定の居住用財産に買換えた場合において、譲渡資産、つまり売却した居住用財産に譲渡損失が発生した場合は給与所得などの他の所得と相殺、すなわち損益通算することが可能です。さらに他の所得と損益通算してもなお控除しきれない損失については翌年以降最大3年間他の所得と通算、すなわち繰越控除ができる制度です。
 
●具体例
単位:万円
  売却した年 2年目 3年目 4年目
給与所得等 600 600 600 600
譲渡損失 -2000 -1400 -800 -200
課税所得 -1400 -800 -200 400
所得税住民税 0 0 0 77

◆2.改正の内容
(1)要件の緩和
譲渡資産の要件として、譲渡の前日において譲渡資産取得に係る一定の住宅借入金残高を有していること、すなわち売ったマイホームに借入金残高が必要とされていましたが、今回の改正によりこの譲渡資産に係る借入金要件は撤廃される予定です。

●改正前
譲渡するマイホーム
  購入するマイホーム
一定の借入金残高
一定の借入金残高
○償還期間10年以上等
  ○償還期間10年以上等

●改正案
譲渡するマイホーム
  購入するマイホーム
借入金要件なし
一定の借入金残高

  ○償還期間10年以上等

(2)適用期限の延長
適用期限を3年延長し、平成18年12月31日までの譲渡に適用されることとなりました。

<参考>おもな適用要件

●譲渡資産の要件
(1)平成16年1月1日から平成18年12月31日までにする家屋又は土地等の譲渡であること
(2)譲渡した年の1月1日における所有期間が5年を超えていること
(3)譲渡した個人が居住の用に供していたこと
(4)その個人の親族等に対する譲渡ではないこと

●買換資産の要件
(1)国内にある一定床面積(居住の用に供する部分の床面積50u)以上の家屋又はその敷地であること
(2)譲渡した年の前年1月1日から譲渡した年の翌年12月31日までの間に取得すること
(3)取得の日から取得の翌年12月31日までの間にその個人が居住すること、または見込みであること
(4)繰越控除を受けようとする年の12月31日において買換資産の取得に係る一定の借入金残高を有していること

●その他の要件
(1)繰越控除を受けようとする年の合計所得金額が3000万円以下であること
(2)その年以前に他の居住用財産の譲渡損失について当該特例の適用を受けていないこと