どうなる?!不動産税制 その2(平成16年度税制改正大綱より)
 

平成16年度も多くの税制が改正される予定です。さて今年の不動産税制はどのように変わるのでしょうか、また、今回の改正により不動産取引は活性化されるのでしょうか。今回は住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の改正について解説します。

◆1.住宅借入金等特別控除とは
住宅借入金等特別控除とは住宅ローン控除とも呼ばれ、個人が金融機関からの借入金によって住宅を新築したり、新築または中古住宅を購入したり、現在住んでいる住宅の増改築をする場合で、一定の要件を満たしていれば、年末の借入金残高に応じて、各年分の所得税から税額控除が受けられる、すなわち納めた税金が戻ってくるという制度です。
 なお、この控除は住宅とともに取得される敷地についても適用されます。

◆2.改正の内容
改正前の住宅借入金等特別控除(以下住宅ローン控除という)は下記のように平成16年に大幅縮小した上で平成17年には制度そのものが廃止される予定でしたが、今回の改正により、住宅ローン制度を延長し、段階的に縮小することとなりました。

●改正前
居住年 控除
期間
住宅借入等の年末残高 適用年 控除率 税額控除
最高額
減税総額
(最高額)
平成15年 10年間 5,000万円以下の部分 1〜10年目 1.0% 50万円 500万円
平成16年 6年間 2,000万円以下の部分 1〜6年目 1.0% 25万円 150万円
2,000万円超〜3,000万円以下の部分 0.5%

●改正案
居住年 控除
期間
住宅借入等の年末残高 適用年 控除率 税額控除
最高額
減税総額
(最高額)
平成16年 10年間 5,000万円以下の部分 1〜10年目 1.0% 50万円 500万円
平成17年 10年間 4,000万円以下の部分 1〜8年目 1.0% 40万円 360万円
9〜10年目 0.5% 20万円
平成18年 10年間 3,000万円以下の部分 1〜7年目 1.0% 30万円 255万円
8〜10年目 0.5% 15万円
平成19年 10年間 2,500万円以下の部分 1〜6年目 1.0% 25万円 200万円
7〜10年目 0.5% 12.5万円
平成20年 10年間 2,000万円以下の部分 1〜6年目 1.0% 20万円 160万円
7〜10年目 0.5% 10万円

上記のように住宅取得支援とデフレ不況の克服という観点から住宅ローン控除については、「拡大・延長」ということになる予定です。

◆参考.住宅ローン控除が受けられる適用要件

    要      件
新築住宅の場合 1 住宅を新築、または新築住宅を取得し、平成20年12月31日までにその住宅を自己の居住の用に供すること。
2 工事完了の日または取得の日から6ヶ月以内に、自己の居住の用に供すること。
3 床面積が50u以上であること。
4 居住用と居住用以外の部分(たとえば店舗など)があるときは、床面積の2分の1以上が居住用であること。(この場合には居住用の部分のみが控除の対象となります)
中古住宅の場合 1 中古住宅を取得し、平成20年12月31日までに、その住宅を自己の居住の用とすること。
2 新築住宅の場合の2〜4と同じ。
3 新築されてから20年(建物登記簿に記載された構造が鉄骨造、鉄筋コンクリート造、石造、れんが造などの住宅は25年)以内の住宅であること。
増改築等の場合 1 自ら所有し、居住している家屋の増改築等で工事費用が100万円を超えるものであること。
2 工事を行った家屋が居住用と居住用以外の部分があるときは居住用部分の工事費用が全部の工事費用の2分の1以上であること。
3 増改築等を行った後の住宅の床面積が50u以上であること。
4 増改築等を行った後の住宅の床面積の2分の1以上が居住用であること。
5 増改築等の日から6ヶ月以内に自己の居住の用に供すること。

●借入金の要件

1.住宅の新築、取得および住宅とともに取得する敷地の取得のための借入金等。
2.償還期間が10年以上のもの。
3.勤務先などからの融資や代位弁済でないもの。
4.勤務先などから利子補給等を受け、実質的に負担する利息が年1%未満となるもの。  など

注)控除が受けられないケース


1. その年分の合計所得金額が3,000万円を超える年。各年ごとに判定します。
2. 入居した年のほか、その年の前年または前々年あるいはその年の翌年または翌々年に、居住用財産を譲渡して次のような特例の適用を受ける場合
  イ.居住用財産の3,000万円特別控除
  ロ.所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例
  ハ.居住用財産の買換え・交換の特例
  ニ.中高層耐火建築物等の建設のための買換え・交換の特例    等
3. 中古住宅の取得の場合において、その取得が配偶者や親族等の特殊関係者(その取得時から引き続き生計を一にする者に限られます)から行われるとき(いわゆる共有持分の追加取得等)