12月17日、自民党より平成16年度の税制改正大綱が発表されました。不動産税制は概ね減税のようなイメージが浸透しているようですが、果たしてそうなのでしょうか? 今回は税制改正大綱をふまえ、不動産を売却した場合の税金について検証してみます。 |
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| ◆1.不動産の譲渡益課税の改正 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 不動産を売却し、譲渡益すなわち利益が出る場合の税金です。今回の改正では下記のように税率が引き下がる予定です。 ●長期譲渡所得の税率引き下げ *譲渡した年の1月1日時点において保有期間5年を超える不動産の売却益にかかる税金
注)上記の改正は平成16年1月1日以後に行う土地、建物等の譲渡について適用する予定
●長期譲渡所得の100万円特別控除の廃止 長期譲渡所得を計算する際、経費(取得費・譲渡費用)に加えて100万円の控除が認められておりましたが、今回の改正ではこの100万円特別控除が廃止される予定です。
このように長期保有不動産については譲渡益にかかる税率が引き下げられる一方、100万円の特別控除が廃止される予定です。したがって譲渡益の金額によって税負担が減少する人と逆に増加する人がでてきます。 ●ケーススタディ 1.減税されるケース (円)
2.変わらないケース (円)
3.増税されるケース (円)
上記のように特別控除前の譲渡益が約433万円以上の場合は減税になり、逆にそれ以下の場合は増税になってしまいます。 |
| ◆2.不動産の譲渡損失に関する取扱の改正 | |||||||||||||||
| 土地、建物を譲渡したことにより譲渡損失が発生した場合、他の所得と通算が可能です。また他の所得と通算してもなお、損失額のほうが多い場合で且つ青色申告している人は翌年以降3年間損失を繰り越して他の所得と通算することが可能です。 しかし、今回の税制改正大綱では「土地、建物の譲渡による所得以外の所得との通算および翌年以降の繰越を認めない」となっております。 ●ケーススタディ (円)
注)居住用財産の譲渡については別の取扱があります。
このように税制改正大綱によると不動産の譲渡損失は不動産の譲渡以外の所得とは合算できなくなりますので、上記のようなケースにおいては実質増税になってしまいます。しかも本改正は「平成16年度分以後の所得税および平成17年度分以後の個人住民税について適用する」となっております。つまり平成16年1月1日以後の譲渡はすべて対象になるということです。 この改正はあまり注目されていないようですが、非常に大きな影響を与える改正といえるでしょう。 |