共同で家・マンションを建てる?(コーポラティブハウスとは)
 

最近は、分譲マンションや建売住宅だけでなく様々な形態の“すまい”が増えつつあります。
その中で、近年住宅情報誌や新聞広告などでよく目にする「コーポラティブハウス」とは、いったいどのような“ハウス”なのでしょうか?
コーポラティブハウス(Cooperative House)を訳すと“共同の家”、“共同組合の家”といった意味になります。住宅を建築するにあたり、共同組合を設立し、組合員が共同して建てた家のことを「コーポラティブ」と呼びます。
“共同して建築する家”とは、どのようなものなのでしょうか?

1.コーポラティブハウスとは
2.通常の住宅取得との違い
3.コーポラティブハウス取得までの流れ
4.コーポラティブハウスの問題点と今後


◆1.コーポラティブハウスとは
1978年3月建設省(現:国土交通省)住宅局によると、「コーポラティブハウスとは、自ら居住するための住宅を建築しようとする者が組合を結成し、共同して事業計画を定め、土地の取得、建物の設計、工事の発注その他の業務を行い、住宅を取得し、管理していく方式」と定義されています。



日本におけるコーポラティブ方式による住まいづくりは、今に始まったことではなく、約30年ほどの歴史がありますが、煩雑な作業が多く、なかなか収益が上げられる事業ではありませんでした。
しかし、近年のライフスタイルの多様化とインターネットなどの普及により広範囲に渡り、事業の告知や組合員の募集が可能となり、理想の家を追い求める方々のニーズを掴みやすくなってきました。
日本では、2001年度までに約7,000戸以上が供給されています。海外では、ヨーロッパを中心に発展しており、ドイツでは全住宅の約10%、スウェーデンやニューヨークでは約20%がコーポラティブ住宅と言われています。

◆2.通常の住宅取得との違い

通常の分譲住宅は、個人個人が分譲業者(デベロッパー)から住宅を購入するという契約形態です。それに対し、コーポラティブハウスは、住宅購入者の集まり(組合)が共同で、土地を購入し、且つ共同で建設業者に建物を発注するという契約形態をとっています。これによって以下のメリットが生まれます。

(1)購入価格が安い
コーポラティブハウスの場合、組合が直接土地を購入し、建設業者に建物を発注するので、通常の分譲住宅(マンション)に比べ、分譲業者(ディベロッパー)の利益や販売経費などが分譲価格に反映されない分、安く購入できます。

●分譲業者(ディベロッパー)から購入した場合 ●コーポラティブハウスを購入した場合

(2)注文住宅並みの自由設計
売主が設計企画した通常の分譲住宅(マンション)に比べ、コーポラティブハウスの場合、あらかじめ購入希望者を募り、購入組合で設計企画するので自由な間取り、デザインが可能となります。



また、コーポラティブハウスの場合、住空間のみならず共用部分や空地部分を利用して良質な住環境をつくることも可能です。

(3)住民のコミュニティが形成される
通常の分譲住宅(マンション)の場合、見ず知らずの人たちが住宅を購入し、その後、近隣の付き合いが始まりコミュニティが形成されます。
コーポラティブハウスの場合は、あらかじめそこに住みたい人たちが集まり、打ち合わせをしながら住宅を計画していくので住宅が完成し、入居する頃には既に近隣のコミュニティが形成されています。


◆3.コーポラティブハウス取得までの流れ
コーポラティブハウスは住宅の購入希望者が集まって、土地の購入から住宅の企画設計を行うのが基本ですが、やはり一連の流れのなかでは不動産のプロのアドバイスが必要となってきます。そこで通常、民間の会社とコーポラティブハウスのコーディネート委託契約を締結し、アドバイス、助言を受けながら住宅を取得します。


◆4.コーポラティブハウスの問題点と今後
コーポラティブハウスの事業主体はあくまで購入者の集まりである「組合」です。したがってプロが自ら、企画、設計、建設する通常の分譲住宅(マンション)に比べ、何度も話し合いを重ね、組合員同士の意見を調整するため、時間と手間ひまがかかり、企画から実際の入居まで比較的長期にわたる場合もあります。
ただライフスタイルの多様化・顧客思考という流れを考えると、今後はコーポラティブハウスが注目を集めてくるのではないのでしょうか。