昨今の景気低迷により企業が工場等を売却するケースが増加しています。そんな中、工場跡地の再開発や自主的な汚染調査に伴い、土壌汚染が顕在化しています。これまでは土壌汚染対策に関する具体的な法制度がなく、健康影響への懸念や対策のルールの確立を求める要請が高まってきました。 そこで、土壌汚染対策法(以下「対策法」という)が平成14年5月22日成立し、同年5月29日に公布、平成15年2月15日に施行されました。 土壌汚染対策法により不動産取引はどのような影響を受けるのでしょうか?
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| ◆1.この法律ができた背景 |
| ここ10年来続いている地価の下落による企業の財務体質悪化と産業の空洞化により企業が工場用地などを処分し、マンションなどの住宅に転用するケースが近年増加傾向にあります。また、海外の不動産投資家が日本の不動産に投資するためのリスク調査(デューデリジェンス)をする際に土壌汚染リスクの調査結果を求めるようになったことや、企業の環境ISOの導入など、環境意識が高まったことなどにより、土壌汚染のリスクが顕在化してきました。 実際、工場跡地を転用したマンションから有害物質が検出された例もでてきており、法制度化が望まれ、実現することになったのです。 |
| ◆2.土壌汚染対策法の概要 | ||||||||||
| 土壌汚染対策法とは有害物質を製造、使用、処理していた工場や都道府県知事が土壌汚染の恐れがあると認めた土地の所有者に土壌の調査を義務付け、その結果により、土壌の浄化を命じたり、土地の利用計画の変更を命ずることができる法律です。 ●土壌汚染対策法のフロー
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| ◆3.土壌汚染対策法と不動産取引のリスク |
前述したように、土壌汚染の恐れのある土地の所有者は法的な措置により、土壌汚染物質の除去を命じられる可能性があります。土壌汚染の可能性があるにもかかわらず不動産の取引をした場合は、売主にとって大きなリスクが伴います。![]() 以上のように、土壌汚染の可能性があるにもかかわらず、調査等を行わずに正確な情報を提供しなかった場合には結果的に思わぬ損害を蒙る恐れがあります。臭いものには蓋をする的な発想はかえってあだとなりかねません。したがって、知り得ている情報はできる限り開示して、土壌汚染の可能性があれば、専門家と相談しながら、対応していくことが必要となります。 また、将来売却の可能性のある工場用地などは事前に土壌汚染の可能性や土壌浄化に関するコストも調査しておくことが望ましいでしょう。 ※ 各自治体条例等により、法律より更に厳しい条件が適用されている場合がありますので、工場用地等を処分する場合には役所の担当課に事前確認する必要があります。 |
