●管理業者との関係および業務内容について
 
 新築・既存どちらのマンションでも、購入時の判断材料のひとつとして「管理形態」は気になるものです。「管理人さんは常駐しているのか?」「通勤であれば週末は来るのか?」「見回りしかしないのか?」など、管理形態によってマンション暮らしの快適度が異なるからです。不動産広告では「常駐」「通勤」「巡回」「自主管理」などと表示されますが、この表現は実は管理員の勤務形態にしか過ぎず、管理組合と管理業者との間の関係を正確に伝えるものではありません。 今回は管理業者との関係および業務内容について解説いたします。



   マンション管理の主体は管理組合ですので管理業者はどういう位置付けとなるかというと、管理組合と管理業者は委任(委託)の関係にあります。組合が○×マンションの管理業務を委託し、業者は引受ける(受託する)間柄ということです。そして管理業務をすべて委託することを「全部委託」、部分的に委託することを「一部委託」といい、業者に頼らず自ら管理を行うのが「自主管理」です。



   このように管理委託には3種類ありますが、全部とか一部とか管理業務にはどういうものがあるのでしょうか?具体的には以下4種類の業務があります(マンション標準管理委託契約書第3条)。

1.事務管理業務
2.管理員業務
3.清掃業務
4.建物・設備管理業務


   1〜4すべてを業者任せにすることが「全部委託」で、1を必修とし2〜4を任意に選択すると「一部委託」となります。

事務管理業務とは組合員(区分所有者)から徴収した管理費等を管理費と特別修繕費へ仕分けし、管理委託費や光熱費などの精算を行い、最後に余剰管理費と積立金を保管口座へ移管する業務がメインです。さらに、長期修繕計画の作成などマンションの維持または修繕に関する企画または実施の調整、招集案内や資料の作成・出欠確認など理事会や総会の支援、そして設計図書や管理規約原本・議事録の保管などとなります。

 同業務は管理業務のなかで一番重要な部分であり、管理業者に最もかんばってもらわないといけない項目です。上記事務管理業務のうち管理費等の精算・保管と修繕計画の作成などを「基幹事務」といいますが、「マンション管理業者は管理組合から委託を受けた管理事務のうち基幹事務については、これを一括して他人に委託してはならない(マンション管理適正化法第74条)」と再委託を制限しています。責任の所在を明確にする意味合いがあるのでしょう。



   次に管理員業務とは来客や宅配物の受付業務や、建物設備の点検、報告連絡業務などを指します。常日頃接しているだけに管理員の態度によって管理業者が評価される側面もあり、管理員の印象は重要です。なお、本社の営業担当として管理員とは別にいわゆるフロントマンと呼ばれる管理組合を直接担当する社員を配置する場合もあります。

清掃業務とは説明するまでもなく、建物の共用部分を掃除する業務です。毎日の日常清掃と専門業者による特別清掃などに分けられます。


 最後に建物・設備管理業務とはエレベーターをはじめとして、給排水設備や消防設備・ライフライン、また屋上や外壁など建物自体のメンテナンスや保守管理を行なう業務です。近頃はフィットネススペースやプール・温泉などを備えた物件も登場し、高層マンションも人気を呼んでいます。共用施設が充実したり建物が大規模・高層化すると、その分維持管理には人手もお金もかかりますので同業務にも明るい管理業者が望ましいでしょう。

 マンション分譲業者の関連会社が管理業者として管理受託する傾向が多々あるだけに、居住者が自ら管理業者を選ぶことはほとんど不可能です。意識の高い組合では一致団結して管理会社を交換するケースも出てきましたが、「最後の手段」としたいものです。マンション管理は専門的な側面もあり、効率性を考えれば管理委託することは必然とも思えますが「委託」しても「依存」することは避けるよう、管理の主体は管理組合であることを今一度再認識しましょう。




  提供:e住まい探しドットコム
 ファイナンシャルプランナー 平賀功一




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