●管理組合と管理規約の成立要件とは?
 
 通常の新築マンション購入は、希望住戸の売買契約を締結し買受人となった後、内覧会や入居説明会を経て、いよいよ引渡しを受けることで正式な居住者(区分所有者)となります。その時点ではすでに管理規約が管理業者によって用意されており、あたかも管理組合も成立しているかのように思われますが、法的な側面から見て本当に規約や組合が「成立している」と言っていいのでしょうか?
 今回は、管理組合および管理規約の成立要件について考えてみましょう



1.管理組合とは
 
 「管理組合」という言葉は日常、よく利用しますが、辞書や百科事典で意味を調べようとしても用語解説している書籍はほとんどありません。
 実際の管理組合を思い浮かべてみると「小さいものは何十から大規模になれば何百世帯にもなるマンションの居住者が各構成員として成り立っている集まり」というイメージがします。しかし、人間関係や権利関係などが複雑に入り組んでいることをかんがみると、単純な相関関係や共有関係ととらえるだけでは不十分でしょう。

 区分所有法第3条には「区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び付属施設の管理を行うための団体を構成し(以下省略)」という記述があり、この条文でいう「管理を行なうための団体」が管理組合に相当します。さらに標準管理規約第6条には「区分所有者は第1条(後述)に定める目的を達成するため、区分所有者全員をもって○×マンション管理組合を構成する」としています。第1条とは管理規約の目的が記された条文で「この規約は○×マンションの管理又は使用に関する事項等について定めることにより、区分所有者の共同の利益を増進し、良好な住環境を確保することを目的とする」となっています。

 こうした記述をみていくと「個々の住戸の持ち主全員が組織し、マンションという共有財産を自らの手で管理し資産価値を高めていくための団体」こそが管理組合と言えるでしょう。



2.管理組合の成立要件
 
 管理組合は居住者全員による集合体ですので、買受人が全員正式な区分所有者となった時点で組合も成立するように思われますが、2以上の区分所有者が存在すれば管理組合は法律上当然に成立することとされています。新規の分譲マンションでは、最初に分譲を開始し、買受人があらわれた時点で、管理組合が成立したことになります。

 極端な例を挙げれば、契約済みが1件でその他はすべて販売中だとしても、区分所有者1人と未契約住戸の全所有者である分譲業者だけでも管理組合は成立することとなります。



3.管理規約の成立要件
 
では管理規約はいつ成立するのでしょうか?
管理規約とは別名「マンションの憲法」とも呼ばれ、区分所有者間の共同生活のルールを制定したもので、ほとんどの管理組合では独自に管理規約を約定していると思います。
 新築マンションでは、売買契約のときに営業マンが管理受託(予定)業者によって事前に作成された管理規約(案)の説明をし、同時に契約者から「同意書」を取り付けているケースを多く見かけます。全住戸が完売すれば、実際の各契約者全員に同意書を記名押印させることで満場一致にて管理規約を成立させる方法です。区分所有法では「区分所有者全員の書面による合意があれば、集会の決議に代えることができる」とされており、この方法を書面決議と呼ぶこともあります。



   ところが完売するには時間がかかるし、もしかしたら完売できないマンションがあるかも知れません。そうした場合、いつまでたっても管理規約を成立させることができないのは問題です。そこで未分譲住戸については分譲業者による区分所有者としての同意書をもって、集会の決議に代わる全員の同意書面として扱うことで規約を成立させる方法を利用します。その結果、前段で記載した管理規約(案)が正式な管理規約となり、その効力を発揮することができるようになるのです。

 余談ですが、もともと管理規約は管理組合で作成し集会の決議で承認するのが本来ですが、専門知識を持たない新米組合員ではラチがあかないこともあり、規約(案)として管理業者が事前にお膳立てしてしまいます。そのため管理業者に都合のいい書面決議による採決方法が頻繁に利用されるのです。

 その後、未分譲住戸に買受人が現れると、当該住戸の区分所有権は分譲業者から契約者に移譲しますが、買受人を特定承継人として規約の効力が及びますので、あらたに同意書を取る必要なく規約を有効に成立させることができます。

  提供:e住まい探しドットコム
 ファイナンシャルプランナー 平賀功一




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