●専有部分の範囲って?
   マンションには専有部分共用部分があるのはご存知だと思いますが、この境界は複雑で集合住宅でのトラブルを引き起こす要因となっています。果たして専有部分と共用部分の境界はどこなのでしょうか?



   区分所有法には「専有部分とは区分所有の目的たる建物の部分」とあり「1棟の建物のうち、構造上区分され独立して住居・店舗・事務所又は倉庫その他の建物としての用途に供することができる数個の建物の部分」のことを指しています。同じく同法で「共用部分とは専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物および共用部分とされた附属の建物」と定義されています。

しかし、この条文だけでは抽象的すぎてよくわかりません。さらに調べてみると中高層共同住宅標準管理規約(以下、標準管理規約)にも専有部分の範囲が明記されています。「対象物件のうち、区分所有権の対象となる専有部分は、住戸番号を付した住戸とする」とした上で、専有部分と共用部分の境界について以下のように言及しています。



   1〜3については、一見、具体的な表現に思えますが、特に1に関してはさらに3つの考え方が存在します。

A. 内壁説: 境界部分はすべて共用部分であり、境界部分によって取り囲まれた空間部分のみが専有部分であるという考え方。
B. 壁芯説: 境界部分は共用部分ではなく、コンクリートスラブ厚の中心を境界とする考え方。スラブの半分は専有部分で、もう半分は共用部分となる。
C. 上塗説: コンクリートスラブの表面部分(上塗部分)を専有部分の境界とする考え方。躯体の上塗部分とスラブによって囲まれた空間が専有部分となる。

   なお、標準管理規約ではCの考え方を採用していますので、専有・共用部分のどちらに該当するか判断に迷った際は上塗説にたって考えることが有効となります。


   4についてはわかりにくい言い回しですので、補足しておきます。イメージとしては床下の排水管を思い浮かべてください。排水管は床とコンクリートスラブの間のすきま(二重床の場合)に敷設されており当該専有部分の居住者が専用で利用しますが、上塗説にのっとりスラブ表面の内側に位置しますので専有部分と解されるのです。

 しかし、上記の例は二重床を前提としており、コンクリートの中に埋設されていたり、あるいは床スラブを貫通して階下の屋根裏を通っている(床下配管といいます)場合は話が複雑になります。床下配管の場合、上塗説に従えば階下の区分所有者の専有部分に該当しますが、「管理面や建物全体の排水との関連から共用部分とする」最高裁の判例もありました。



   最後に専用使用権について触れておきます。
バルコニーや専用庭は専有部分に附属しているので、その構造上、専有部分の一部と思われがちですが、所有権としての登記はできず、また専有部分であるとした場合、好き勝手に使用されては良好な住環境を脅かす可能性が生じます。そこで、一般的には共用部分と解されています。

 ただ、実際に使用する人はバルコニーや専用庭とつながっている専有部分の区分所有者のみであり、誰もが自由に使用できるものではありません。このような一部の所有者だけが利用できる権利を専用使用権といい、バルコニーや専用庭をはじめ、玄関扉やサッシ、窓ガラスなども同様の権利が存在します。

以上、法律的な側面から専有部分と共用部分を考えてみましがた、境界をめぐるトラブルは集合住宅での権利関係を複雑にしているまさに犯人といえるだけに、管理規約などでその範囲を明確にしておくことが今後、重要になってきます。

  提供:e住まい探しドットコム
 ファイナンシャルプランナー 平賀功一




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