連載10 Vol.6
 契約違反した場合

売買契約締結後、契約違反した場合、つまり約束の日にお金が用意できない、また約束の日に物件を引渡すことができない。いわゆる決済できなくなってしまった場合はどうなるのでしょうか?


◆1.一旦、期日を延期する
売買契約締結後、引渡しまでの間に自分の都合、あるいは自分の都合ではないが、やむを得ない事情で「売るのをやめた」「買うのをやめた」または「やめざるを得なくなった」場合はどうなるのでしょうか?
契約を締結している以上、約束を守るのが大原則です。このように一方の都合によって売買契約を取り消さざるを得なくなった場合で、且つ、手付け解除期間も既に経過していた場合は、やはり相手方に対して、損害賠償違約金を支払わなければいけません。



しかし、通常は約束の期日(決済日)に、「お金が用意できない」「引渡しができない」と言って、すぐに債務不履行、損害賠償または違約金の請求はできません。通常は、催告つまり「約束の期限は過ぎていますが、○月○日までにお金を用意、あるいは引渡しの用意をしてください」と期限を一旦猶予します。

◆2.約束が守られなかった場合の損害賠償額
契約を延期しても約束が守られない場合は、契約の解除をせざるを得ません。当然、当事者の一方が損害を蒙った場合は損害賠償または違約金の対象となります。しかし、相手にどの程度の損害を与えてしまったのか、推測がつきません。場合によっては多額の損害を与えてしまう可能性もあります。


◆3.契約書には違約金に関する定めを
このように万が一、約束を守ることができなかった場合、相手方にどれくらいの損害を与えてしまうのか予測不可能です。このような事態に備え、売買契約書には約束違反(債務不履行)があった場合の損害賠償の額をあらかじめ定めておくことが望ましいでしょう。このような損害賠償に関する定めを契約書に記載するとともに、通常は、あらかじめ定めた損害賠償の金額よりも実際の損害が大きくても小さくても定められた損害賠償額を相手方に支払うということも併せて記載します。
通常は売買代金の10%〜20%を債務不履行による解除の場合の損害賠償額と定めることが一般的です。

*不動産業者が売主の場合、損害賠償または違約金に関する予定の額は、売買代金の20%を超えてはならないこととされています。