連載10 Vol.5
 契約をやめたくなった場合

売買契約締結後、自分の都合で契約を解除したくなった場合、または解除せざるを得なくなった場合はどうなるのでしょうか?損害賠償や違約金を支払わなければいけないのでしょうか?


◆1.売買契約締結後、自分の都合で契約を解除せざるを得ない場合
売買契約締結後、引渡しまでの間に自分の都合で「売るのをやめた」「買うのをやめた」または「やめざるを得なくなった」場合はどうなるのでしょうか?
契約を締結している以上、約束を守るのが大原則です。このように一方の都合によって売買契約を取り消せざるを得なくなった場合は、やはり相手方に対して、損害賠償や違約金を支払わなければいけません。


◆2.自分の都合で契約を解除する場合のペナルティ
このような当事者の都合で契約を解除する場合に備え、通常、売買契約書には契約締結時に支払った(受領した)手付金相当額をペナルティとして取り決めます。
買主が買主の都合で契約を解除した場合は、売主に支払った手付金を放棄することによって解除することが可能となり、売主が売主の都合で契約を解除する場合は、買主から受領した手付金を返還し、且つそれと同額を買主にペナルティとして支払います。
これを手付け解除といい、買主のペナルティを「手付け放棄」売主のペナルティを「手付け倍返し」と呼びます。


このように手付金を互いのペナルティとする条項を契約書に明記しなければ、損害賠償や違約金を請求されるおそれがあります。

◆3.手付金による解除の期間
このように手付金による解除を契約書に明記した場合、売主、買主ともに手付金相当額のペナルティを支払うことにより契約解除が可能となります。しかし、物件引渡(残代金支払い)の直前に「手付金放棄するので契約解除します」と言われてしまうと、相手方は損害を蒙る可能性があります。ましてや、少額の手付金だった場合、解除された相手方は実際の損害をカバーしきれない場合もあります。
 このようなことを回避するために、通常、売買契約書には手付け解除可能な期日を定めて、契約締結後○○日間は手付け解除が可能であり、その期日を過ぎた場合は手付金による解除を認めない旨を定めます。