連載10 Vol.4
 建物が必要ない場合

中古建物付の土地を売買する場合、買主によっては「建物は必要ないから取り壊して土地だけ売ってくれ」という場合もあります。このような場合は売主、買主ともにどのようなリスクがともないどのような点に留意すればよいのでしょうか?


◆1.建物が必要ない場合
中古建物付の土地売買において、買主が建物を必要としない場合、通常は売主に建物を解体してもらってから引渡しを受けます。
建物を解体したあとに、買主(希望者)が購入をキャンセルしないように、このような場合は先に売買契約を締結してから引渡しまでの間に建物を解体するのが望ましいでしょう。


◆2.契約上の留意点
このような場合、買主は契約書に「売主は引渡しまでに建物を解体すること」を契約条件に入れます。
売主は天候や解体工事の許認可など何らかの理由で、引渡しの日までに解体工事が完了できなかった場合、契約違反となり、買主から違約金や損害賠償を請求される可能性がありますので、契約書には「万が一、引渡し期日までに解体工事ができなかった場合は引渡しの期限を延長させて下さい」と入れることにより、リスクを回避することが可能となります。


◆3.完全に建物を解体してもらうために
買主の立場から見ると物理的に建物を解体して引き渡してもらうのは当然のことながら、法的にも建物を消滅させてもらう必要があります。
つまり、建物の登記をしている場合、解体後、その不動産を管轄する法務局に「この建物は存在しません」という登記(滅失登記)をしなければ、完全に建物がこの世からなくなったことにはなりません。この手続きにより、物理的にも法的にも建物が消滅することとなります。
したがって、売主には建物の解体と滅失登記を引渡しの条件に加えることが必要です。