連載10 Vol.2
 売主の土地境界に関するリスク

売主の土地境界に関するリスクについてお話します。境界が不明確な土地を売買する場合、売主、買主ともにリスクがともないます。
それぞれ、どのようなリスクがともない、どのような点に注意して売買契約を締結すればいいのでしょうか。


◆1.境界が不明確な土地を購入すると
境界が不明確な土地を購入すると、土地の範囲を確定することができず、将来、隣接の土地所有者と境界を巡って紛争になる可能性があります。その結果、土地の面積が増えたり減ったりすることもあります。
隣接地との間に垣根やブロック塀がない場合は当然のこと、ブロック塀や万年塀などがある場合でも境界が明確な状態で土地を購入しないと、やはりトラブルになる可能性があります。しかも、ブロック塀は10cmの厚さがありますので、塀の中心、内側、外側で土地面積が大幅に変わる場合もあります。


◆2.境界が不明確な土地を購入する場合
このように境界が不明確な土地を購入すると、後日、無用なトラブルに巻き込まれたり、土地の面積が増減する可能性がありますので、できれば「境界を明確にしてから売って下さい。隣接土地の所有者と土地境界をきっちり決めてから売買代金を支払います。」という条件を契約書に記載することが望ましいでしょう。それによって後日発生するかもしれない境界紛争や面積の増減を未然に防ぐことが可能となります。

また、できれば隣接土地の所有者と境界について互いに異議がないことを確認することを証明してもらうために売主と隣地所有者の間で「境界に異議がない旨の確認書」を交わして頂き、その書面を残代金支払いのときに交付してもらうことが望ましいでしょう。
これに加え、境界の表示(境界石や境界プレートなど)を土地に設置してもらうことが必要です。

◆3.境界の確認が取れなかった場合
売主は買主との約束どおり、契約締結の日から残代金を受領する日までに、隣接土地の所有者と境界の確認がとることができれば問題ありませんが、万が一、隣接土地の所有者と境界に関する協議が整わなかった場合はどうなるのでしょうか?
当然、買主は「約束が守れないので購入をやめます」と言うことが可能です。また、これによって買主が損害を蒙った場合は、売主に対して違約金や損害賠償を請求することが可能となります。
半面、売主は契約違反・約束違反となるため、売主は違約金や損害賠償を請求される可能性があります。


このようなことを未然に防ぐために、あらかじめ、隣接土地の所有者と境界の確認をしておくことに加え、このようなときに思わぬしっぺ返しを食らうことのないよう日ごろから近所付き合いを上手にしておくことも大切なことです。

◆4.契約書には特約を
このように、境界は隣接土地の所有者など、相手がある問題であり、自分の都合だけではどうにも解決できません。したがって、境界が未確定の土地を売買する場合、契約書には「隣接土地の所有者と境界の確認が取れなかった場合は契約を白紙にしましょう」という条件を入れることで、売主は違約金や損害賠償などのトラブルを回避することが可能となります。