連載10 Vol.1
 買主のローンに関するリスク

一度、不動産売買契約をすると簡単にやめる訳にはいきません。しかし、どうしても契約をやめなければいけない事態もゼロではありません。このような事態に備え、極力リスクを回避するための契約条文について解説いたします。

第1回目は、買主のローンに関するリスクです。売買代金を金融機関からの借入金で支払おうとしていたにもかかわらず、売買契約を締結した後、予定していたローンが組めなかった場合はどうなるのでしょうか?


◆1.ローンを組んで購入する場合
ローンを組んで不動産を購入する場合、通常は金融機関に事前相談し、おおよそ「大丈夫でしょう」という内諾を得た上で契約を締結します。
その後、売買契約を締結したのち正式にローンを申し込み、審査の上、不動産引渡し時にローンの実行となります。
すなわち契約締結した後でないと、確実にローンがおりるかどうかわかりません。無事ローンが組めれば問題ありませんが、時にはローンがおりない場合もあります。


◆2.ローンがおりなかった場合
ローンがおりなかった場合はどうなるのでしょうか?原則は契約違反となります。この場合売買代金を予定していた売主が損害を蒙る可能性もあるので、違約金、損害賠償を請求される可能性もあります。
これではローンを見込んでいた買主も、大きな損害を蒙ってしまいます。ローンがおりるかどうかというのは非常に不確定要素の大きいものなのです。


◆3.契約書に特約を
このような事態に備えて、売買契約書には「ローンの承諾がおりなかったら白紙とする。契約がなかったことにする。」という条文を入れましょう。これにより、万が一、ローンがおりない事態が発生しても、違約金や損害賠償など請求されることは回避できます。このような特約を通常「ローン条項」または「ローン特約」などと呼びます。