「予告登記」 について
私は、ある人から家を購入しようと思っています。購入にあたり念のため、その物件の不動産登記簿謄本で所有名義を調べたところ、確かに売主の人の名義になっていましたが、その名義の横に予告登記という記載がありました。予告登記というのはどのような登記なのでしょうか。また、このまま売買契約を結んでも大丈夫でしょうか。



裁判の結果、完全な所有権を取得できない可能性がありますので、裁判の結果を待って、予告登記が抹消されてから購入するのが望ましいでしょう。

1.予告登記とは
予告登記とは、仮登記と同じように予備登記の一つであって、無効な登記や取り消されるべき登記などについて、その抹消登記を求める裁判が起こされた時に、裁判所の嘱託によりなされる登記です。具体的には、不動産登記簿謄本の甲区(所有権に関する事項)の登記の目的の欄に、「1番所有権抹消予告登記」などというように記載されています。この登記簿だけでは、どのような裁判が起こされているのかは分かりませんが、第三者(例えば前の所有者)が現在の所有者に対して所有権移転登記は無効であるという主張をしている可能性があります。つまり、あなたが購入しようとしている物件は、現在、裁判で係争中である事を表しています。


このような予告登記がなされている物件は、所有権が不安定な状態にあります。現在の所有者が裁判に勝てば問題はありませんが、裁判の結果によっては、現在の所有権等の登記がさかのぼって無効となり抹消されたり、又、抹消されていた登記が回復して現在の登記簿上の所有者が変わってしまったり、抵当権等がついてしまったりする可能性があります。そこで、これからその物件の取引をする第三者に対し、そのようなことをあらかじめ警告するために登記なされるのです。


2.予告登記がなされる場合
具体的にどのような場合に予告登記がなされるのかというと、登記原因の無効または取消しをもって善意の第三者(その登記に無効原因や取消原因があることを知らないで取引に入ってきた人)に対抗することができる場合に限られます。例えば、物件の売買時に意思能力がなかったにもかかわらず契約をしてしまい、所有権が移転されてしまった場合に、その取消を原因とする訴えがあった時に予告登記がなされます。外に、強迫による取消し、錯誤による無効、全くの偽造登記などがあります。

3.予告登記された物件を購入した場合の危険性
予告登記がなされていても、所有権の移転や担保権の設定をすることはできます。しかし、裁判によって現在の所有者の所有権が抹消されてしまっても法的には保護されません。なぜなら、裁判所が予告登記をして、「裁判の結果、抹消される可能性もあるから気をつけてください」と警告してくれてあったにもかかわらず、それを知りながらあえて登記をしたことになるからです。したがって、予告登記がされている不動産は、よほどのことがない限り裁判の結果が出るまで購入は待つか、購入を取り止めた方がよいでしょう。