連載4 Vol.3

 抵当権が設定されている不動産の取得方法2


 前回は不動産登記簿の乙区に抵当権が設定されている不動産を購入する際の留意点と流れについてお話しました。抵当権を抹消するためには借入金すべてを金融機関(抵当権者)に返済しないと抵当権を抹消できません。通常は、その返済原資を買主さんから受け取る売買代金で賄います。
 では、売買代金で賄い切れないほどの借入金残高が残っていた場合は抵当権は抹消できないのでしょうか?また、そのような不動産を売買するにはどのような点に注意すればよいのでしょうか?


1.借入金を全額返済しないと抵当権は抹消できないの?

 前回までのお話のように抵当権は「万が一お金を返してもらえなかった場合に、その不動産を強制的に売却してお金を回収するための権利」です。もちろん全額返済してもらえれば、抵当権は意味をなさなくなるので抹消可能となります。ですので売買代金の全額を金融機関に支払ってもすべての借入金が返済できない場合は当然、抵当権を消すこと(抹消)ができません。


2.このような不動産の抵当権を抹消する方法

 このように買主さんから受領する売買代金を借入金の返済にまわしても、すべて返済しきれない場合は、売買代金に自分の手持ち資金を追加して金融機関に借入金を全額返還することにより抵当権の抹消が可能となります。



  売主さんに手持ちのお金がたくさんあることがわかっている場合は買主さんも安心できますが、売主さんの手持ち資金の額を確認するのは困難ですので、買主さんにとっては本当に抹消してもらえるか不安です。

3.安心して購入するために

 このような売買代金より借入金の額が大きい物件を安心して購入するには、借入金の返済と、抵当権の抹消が可能な状態かをその場で確認するために、売買代金の支払・借入金の返済・抵当権の抹消・所有権の移転をすべて同じ日に行うことが望ましいでしょう。


   このようにすべて同じ日に売買契約・売買代金の受渡し・物件の引渡し等を行うことを「一括決済」と呼んだりします。この一括決済が無理で、契約日と残代金支払の日・物件引渡しの日が異なる場合は、契約時の手付金を0円にしたり、仲介業者がいる場合は、念のため、手付金を残代金の支払・物件引渡しの日までに仲介業者に預かってもらうと安心です。(もちろん信頼のおける仲介業者であることが前提です)

●一括決済ができない場合




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