連載4 Vol.2

 抵当権が設定されている不動産の取得方法1


 前回は不動産登記簿の「乙区」に記載される権利である「抵当権」についてお話しました。不動産登記簿の乙区欄に抵当権が記載されていると、誰がいつ、どこから、いくらお金を借りたのかがわかります。
 さて、ではこのように抵当権が設定されている不動産を購入する場合はどのような点に注意すればよいのでしょうか。


1.抵当権が設定されている土地をそのまま買うと?

 抵当権は借りたお金をきちんと返してさえいれば、その不動産を自由に使用することも、貸すことも、売却することも可能です。つまり、不動産に「抵当権」が設定されていたとしても、その不動産を売却するのは自由ですので抵当権の設定されている土地を売却すること自体は問題ありません。では、仮に抵当権が設定されている不動産をそのまま購入するとどうなるのでしょうか?
●抵当権の設定されている不動産をそのまま買った場合

●山田さんがきちんとお金を返済しなかった場合


2.抵当権を「乙区」から消して(抹消)もらってから購入する

 前述のように理屈上は「抵当権」が設定された土地をそのまま売ったり、買ったりできますが、買った人は、「いつ不動産を失うかわからない」という、非常に不安定な立場になってしまうため、通常、抵当権が設定されている不動産を購入する場合は売主さんにお願いして抵当権を「消して(抹消)」もらってから購入します。これで東京次郎さんは安心できます。

3.どうすれば抵当権を抹消できるの?

 では、どうやって抵当権を抹消してもらうのでしょうか?前回お話しましたが、抵当権というのは「万が一お金を回収できない時」のために金融機関が土地を担保にとるひとつの権利です。ですので、借りたお金を全額返済しさえすれば、抵当権は消す(抹消)ことが可能です。

 このように売主である山田さんが金融機関に借りたお金を全額返済することによって、金融機関は「抵当権の抹消」(登記簿から消す手続き)に応じてくれます。しかし、山田さんに全額返済するだけのお金がない場合はどうするのでしょうか?

4.売主に全額返済するだけのお金がない場合

 売主が借入金を全額返済するだけのお金をもっているか?というと、実際はもっていないケースがほとんどでしょう。では、そのお金はどうするのでしょうか?
 このような場合、抵当権抹消のための返済原資は買主から受け取る「売買代金」を充当します。売買代金の受領と同時に金融機関に借入金を全額返済し、抵当権の抹消手続きが確実にできることを確認して、買主さんの名前に登記します。(登記は任意ですが)実務上は買主さんのリスクを回避するために、これをすべて同じ日に行います。

 では、売買代金でも全額返済できない場合は、どうすればいいのでしょうか?結局、購入することは不可能なのでしょうか?


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