「権利証を紛失したら?」 について
土地を買った時に登記所から交付された権利証を紛失してしまったのですが、どうすればよいのでしょうか。もう土地を売ることはできないのでしょうか。また、再発行はしてもらえるのでしょうか?



権利証を紛失した場合、再発行されませんが不動産の所有権を失うことはありません。
また、保証書を作成することにより、売却も可能です。

1.権利証とは
権利証とは、不動産の売買による所有権移転登記のように、不動産上の権利の保存・移転などの登記をした時に、登記所から交付される登記済証のことです。登記済証の末尾の余白には「登記済」の文字の入った所定の朱色の ハンコが押してあります。


登記済証は、買主や申請人に登記が完了したことを知らせるとともに、その者が今後、その不動産を売る時や銀行等から借入れをするために抵当権をつける時など登記を申請する際に必要になります。その者が、その不動産の所有者であることや売る意思が本当のものであるということを証明するために、登記所に提出しなければならない重要なものです。また、紛失してしまっても再発行を受けることはできません。


2.権利証の性質
権利証をなくしてしまったとしても、所有権がなくなるわけではありません。その土地の所有者であることは登記所の登記簿に記載されています。権利証は、その登記簿への記載が完了したことを証明する証明書のようなものです。つまり、権利証の中に権利そのものが付着しているわけではない(その意味で手形や小切手などの有価証券とは違います)ので、なくなっても所有権が消えるわけではないのです。

3.保証書について
次に、その土地を売ろうと思った時に、権利証なしで登記が申請できるかどうかですが、これは、保証書という書面を権利証の代わりに提出すれば登記の申請をすることができます。保証書とは、登記を受けたことのある成年者2名が、登記義務者(権利証をなくした人)の人違いないことを保証した書面です。具体的には、売買等の対象になっている土地の表示、登記の目的、登記義務者の氏名、2名の保証人が登記を受けた不動産の表示等を記載し、2名の保証人の署名・押印をします。そして保証人の印鑑証明書(3ヶ月以内)を添付して、保証書2通を登記所に提出することになります。
保証人が受けたことのある登記というのは、所有権に関する登記であってもそれ以外の登記であってもかまいませんし、既に抹消されている登記でも大丈夫です。ただし、今回登記を申請する登記所と別の登記所で登記を受けている場合には、その登記簿謄本を添付する必要があります。



4.保証通知書について
保証書を添付して所有権に関する登記を申請した場合、登記は直ちに実行されません。法務局から登記義務者に対して登記申請があった旨の通知(保証通知書)が届きます。その登記申請の意思が本当であるかを確認するためです。間違いがなければこの保証通知書に実印を押印して登記所に提出します。提出した時に本受付となります(事前通知)。通知を発した日から3週間以内に返送しなければ登記申請は却下されてしまいますので、注意が必要です。また、保証通知書を紛失しても再通知はしてくれませんので、もう一度新たに申請しなければなりません。
所有権以外に関する登記(抵当権設定、抹消登記など)については、保証書を添付して申請すれば、登記は直ちに実行されます。登記完了後に登記所から通知がなされます(事後通知)。


●保証書を利用した登記申請の流れ


5.権利証を盗まれたら
なお、権利証を誰かに盗まれた場合、権利証だけでは、基本的には所有権の移転はできません(移転登記するには所有者の権利証の他、実印や印鑑証明書が必要です)が、印鑑証明書等偽造されたりして勝手に移転登記されてしまう危険性も皆無ではありません。そこで権利証を盗まれたらその不動産を管轄する登記所に対し、不動産の所在等を明らかにして、権利証を盗まれ勝手に登記の申請がなされる可能性があるので、誰かから登記の申請があったときは連絡をしてほしい旨の書類を、印鑑証明書を添付して提出してください。登記所は、この申し出により登記の手続を差し止めて連絡してくれます。