「瑕疵担保責任」 について
やっと夢にまで見た戸建て住宅を購入しました。ところが、入居して1年半後に天井から雨漏りがしてきました。売り主に対してどのような請求をすることができますか。



売買契約の内容によって、売主に損害賠償の請求ができる場合と、できない場合があります。また、平成12年4月1日以降に契約した新築住宅には、売主あるいは、請負人に主要構造部分の10年保証が義務付けられています。

1.瑕疵担保責任の追求
家を購入することは、人生の一大事業です。にもかかわらず、不幸にして購入した物件に欠陥がある場合があります。
この場合、買主は売主に対し瑕疵担保責任を追求することができます。瑕疵担保責任とは売買の目的物に瑕疵(その物が取引上普通に要求される品質が欠けていることなど、欠陥がある状態)があり、それが取引上要求される通常の注意をしても気付かぬものである場合に、売主が買主に対して負う責任をいいます。
この場合、買主は瑕疵があることを知った時から、1年以内ならば売主に対し、損害賠償の請求ができますし、また瑕疵のために契約の目的を達することができないときは、契約を解除することもできます。そして、いずれの請求をする場合も売主に過失(瑕疵があるということを知らなかった)があることは要件ではありません。
したがって、あなたの場合、雨漏りという瑕疵があることを知った時から、1年以内であれば売主が雨漏りの瑕疵を知らなかった場合でも、雨漏りによって生じた損害の賠償を請求できますし、その雨漏りの原因が建物の重要な部分の欠陥に由来するもので、その欠陥を修繕することが事実上不可能な場合など、その瑕疵の存在によって売買契約の目的を達することができない場合は、売買契約そのものを解除することも可能です。



2.瑕疵担保責任の制限規定
以上が原則ですが、反面、売主としては、自ら知りえない物件の瑕疵によって何年もの間にもわたって、買主から瑕疵担保責任の追求を受ける可能性があるとすれば困ったことになります。例えば、売買契約後、長期間経ってから物件の瑕疵が見つかった場合でも、買主が瑕疵を見つけてから1年以内であれば責任追及を受けるとすれば、売主は非常に不安定な地位に置かれてしまいます。そこで、通常では売買契約書の中で、売主の瑕疵担保責任を免除したり、あるいは責任追及できる期間を短縮していることが多いようです。この場合、買主の売主に対する瑕疵担保責任はどうなるでしょうか。中古物件の場合と新築物件の場合に分けてお話しします。



3.中古物件の場合
中古物件の場合、売主の瑕疵担保責任が、契約によって免除されている場合も多く、この場合、瑕疵があったとしても原則として売主に瑕疵担保責任の請求をすることはできません。というのは、中古物件の場合、築年数がある程度経過しているので、瑕疵があることもある程度予想されるからです。したがって、中古物件を購入する場合は購入前に物件をよく調べておく必要があります。但し、中古物件の場合で責任免除の規定がある場合でも、売主が瑕疵を知っていて敢えて買主にその事実を告げなかった場合は、なお責任を負います。また、売主が不動産業者の場合は、瑕疵担保を免責にするとか、期間を短くするなど、買主に不利な特約は無効とされ、目的物の引渡日から2年以上とする契約をする以外は瑕疵を発見してから1年は責任を負うという民法の原則に従うことになります。


4.新築物件の場合
平成12年4月1日から施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の施行後は、全ての新築住宅に対する10年の瑕疵担保期間が義務化されました。すなわち、新築住宅の請負人または売主は、住宅取得者に対して、構造耐力上主要な部分(住宅の柱や梁基礎など)や屋根等の雨水の浸入を防止する部分の瑕疵について、引渡の日から10年間その瑕疵を修補するなどの義務を負うことになりました。これに反する特約を設けても、注文主や買主に不利な特約は無効となりますが、逆に保証期間を20年までは延長することが可能です。但し、自然劣化等によって生じた不具合については、保証されていませんし、売買の際に通常の点検で発見できたような欠陥についても、保証の対象外になりますので注意が必要です。なお、この法律の瑕疵担保責任の規定の適用を受けるのは、平成12年4月1日以降に締結された新築物件の契約です。
また、この法律では、不動産取引の安全を確保するため、住宅性能表示制度を発足させました。これは、住宅の性能を表示するための共通ルールを定め、住宅の性能を相互比較しやすくする制度です。但し、評価を受けるかどうかは、任意の制度です。こうして評価された住宅には、住宅性能評価書が交付されることになります。住宅性能評価書を添付して住宅の契約を交わした場合などは、その記載内容(住宅性能)が契約内容として保証されます。評価書が交付された住宅については、契約上のトラブルが発生した場合にも、裁判手続きとは別に指定住宅紛争処理機関で、調停・斡旋・仲裁を受けることができます。